2014年5月6日火曜日

キャリア形成について(1) 就業環境の変化

欧米で発達している学問としてのキャリア学をベースにしたキャリア形成の基本的な考え方について。

1. 就業環境の変化~終身雇用・年功序列慣習の崩壊

まずは日本の就業環境を意識し、正しく知ることが肝要である。
 高度成長期における会社の課題は「如何に仕事を増やすか」であった。終身雇用・年功序列を維持するため、様々なビジネスを社内に立ち上げ、その業務をすべてグループ内で事業化し、働く場所と組織(ポスト)を拡大した。
 1990年1月に始まる株価と地価の暴落により、1991年2月を境に景気が急激に後退。人件費圧縮のためリストラや新規採用の抑制が広がった。
一人当たりの人件費=中小企業:年収×2~3、大手企業:年収×4で計算
(例)年収400万×4=1,600万円
この計算式は、企業の売上げと従業員数の割合から企業実態を調べるにも有効なので覚えておく
92年頃をピークに、60年代から続く日本特有の終身雇用・年功序列慣習の継続が不可能となった。

(1)バブル崩壊後の雇用の実態
 徹底した経営合理化により、経費削減策に加え人件費削減にも着手。非正規雇用へ大量シフトを実施し、経営合理化や終身雇用から成果主義へと変化した。

(2)非正規雇用の実態
 雇用の流動化・多様化により、自由度の高さ、短期的な収入、希望に沿った働き方などのメリットを選択する人が増加。平行して正社員の労働時間が増えている。正社員以外の労働者割合は、34.1%(平成20年平均)となっている。
 2003年11月の三菱電機の終身雇用廃止発表が大きな転換点となった。現在大手で終身雇用を謳っているのはキヤノンのみである。

(3)成果主義(目標管理制度)の導入

 日本で成果主義(目標管理制度とも言う)を導入している企業は、全体の8割以上にのぼる。成果主義では、企業全体の目標が社員個人の目標と リンクし、従業員の目標総合計が企業目標となる。年功による定期的な昇給制度は廃止され、成果に応じて昇給する制度へ変わりつつある。しかし長年終身雇 用・年功序列を運営してきた日本の企業文化において、そのソフトランディングはいまだ不透明な部分が多いのも現状である。

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